妊娠それはある意味私にとって青天の霹靂だった。
いや、心から嬉しい知らせであったわけで
驚いたという意味では寝耳に水と言った方が正しいか。
結婚式を終え避妊を中止したのだから、冷静に考えればいつ妊娠してもおかしくないわけだが、まさかこんなに早急に物事が進むとは予想だにしていなかった。
週末にはおいしいレストランでワインを飲み休日にはドライブ、夫婦水入らず二人だけの生活が数年続くと漠然と思っていた。
今振り返るただただ驚いたのを覚えている。
すぐに最寄りの産婦人科を予約し、仕事帰り妻に受診して貰うことにした。
数日後、診察を受けた妻からエコー写真をプレゼントされた。
そこにはまだ人間の形をしてない白黒のお団子みたいな命が写っていた。

まだ妊娠7週目で、安定期と言われる16週には入ってなかったので安心はできない。
でも、妻の子宮に間違いなく小さな命が宿っていた。
これを見て涙する心優しいパパたちは沢山いるのだろうけれど
如何せん涙もろくない私は微笑むだけだった。
つづく